巻き爪
巻き爪とは
巻き爪とは、爪が内側に曲がり、皮膚に食い込んでいる状態のことです。主に足の第1趾=親指の爪が巻き爪になりやすいです。深爪や、間違った靴選びなどが原因で起こり、悪化すると炎症を起こして化膿したり、歩行しづらくなったりします。巻き爪の症状が生じたら、まずは皮膚科もしくは形成外科、整形外科などを受診しましょう。
巻き爪の原因
巻き爪の主な原因として、以下が挙げられます。
・深爪(爪の切り過ぎ)
・爪が長過ぎる状態
・過度のスポーツや体重増加による足への圧力、負担
・足に合っていない靴を履き続けること
・爪白癬※による、爪の変形
深爪では特に、爪の両端の切り過ぎを原因として巻き爪になりやすくなります。
また、ハイヒールや先端が細くなっている形の靴は、足の爪を圧迫してしまうため、足には不適切とされます。一方で大きすぎる靴でも、靴の中で足が滑って先端を圧迫し、結果的に巻き爪の原因につながることがあります。
※爪白癬(つめはくせん)
・・・「白癬菌」と呼ばれる、人間の皮膚の角質を栄養とする真菌が原因で起こる感染症。爪白癬に感染すると爪が白く濁ったり、分厚くなったりといった症状が現れ、進行すると爪がボロボロの状態になります。
巻き爪の症状
初期の巻き爪は、つま先の先端が炎症を起こした状態です。この段階では、疼痛や赤くなる程度の症状がみられます。ただし歩行のたびに体重がかかるため、強い疼痛を感じることもあるでしょう。
さらに症状が進行すると、皮膚の下部に水分がたまって爪の食い込みが強くなり、ますます巻き爪の炎症が強まります。そして爪の横の皮膚に炎症性の肉芽腫(にくげしゅ)が形成され、より一層痛みが増してしまいます。
重症の巻き爪の場合には、つま先が化膿して、爪が食い込んだ部分周辺の皮膚が真っ赤に腫れあがったり、膿がたまったりして、激しい痛みの症状を伴います。
巻き爪の治療
巻き爪の治療法には、テーピング、コットンを爪と皮膚の間に詰めて食い込みを防ぐ「コットン療法」、アクリル樹脂の人工爪を用いる方法など、さまざまなものがあります。 炎症が強く、細菌感染を伴う場合には、内服薬や外用薬を用いた薬物治療が行われます。巻き爪治療専用のフックやワイヤーを装着し、爪の形を矯正していくこともあります。 重症な巻き爪には手術も有効の場合があるので、皮膚科などで適切な治療法を相談しましょう。
巻き爪の予防・生活上の注意
巻き爪を予防するためには、爪切りの際に皮膚から水平に爪を切り、角を残すようにしましょう。(スクエアカットといいます。)
特に爪の端部分の切り過ぎが巻き爪の原因となるので、切り過ぎないように注意しましょう。
また、普段履く靴は自分の足に合った形やサイズを選び、つま先への負担を減らしましょう。不適切な靴を履き続けると、親指と小指の両側から強い圧力がかかってしまうため、できるだけ避けるよう注意しましょう。