ほくろ
浜松市中央区(旧南区)の皮膚科 いがらし皮ふ科

ほくろ

ほくろとは

ほくろとは、成長過程で色素細胞になりきれなかった母斑細胞が増殖することで生じる良性の皮膚腫瘍の一種です。母斑細胞母斑あるいは色素細胞母斑と呼ばれます。見た目だけでは、良性のほくろと皮膚がんの区別はつきにくいことが多いため、急に大きくなるなどのほくろの場合は見分ける必要があるので皮膚科で診断を受けることが重要です。良性のほくろであれば治療の必要はありませんが、取り除く場合は手術や炭酸ガスレーザーによって除去します。

ほくろの症状

ほくろは、大小さまざまで平坦なものから盛り上がったもの、黒いものから茶色(褐色)、肌色に近いものまで様々な種類があります。 生まれつきからあるものとあとで出現するものがあり、あとから出現したほくろの場合は、6〜7mmまでの大きさであることが多いです。一方、生まれつきからあるほくろ(先天性色素細胞母斑)は、20cm以上の大きさとなる場合もあります。小さなほくろは悪性化することはあまりありませんが、巨大なほくろは悪性化する可能性があるとも言われているため、適切な観察や治療が必要です。顔や首、腕や体などの部位に生じることが比較的多いです。

ほくろの検査と診断

皮膚がんの初期病変はほくろに似ており、見た目では区別がつきにくいことがあります。 ほくろの検査と正しい診断にはダーモスコピーを使用します。ダーモスコピー検査は、ダーモスコープという特殊な拡大鏡を皮膚面に当ててメラニン色素や毛細血管の状態を調べる検査です。悪性の可能性がある場合は、ほくろの一部・全体を切除して、顕微鏡による病理組織検査を行う必要があります。

ほくろの治療

ほくろの治療は、年齢、大きさによって異なりますが、通常は局所麻酔の注射をして腫瘍を切り取り縫い閉じます。数mmまでのほくろは炭酸ガスレーザーを照射して削り取る方法や、パンチなどでくり抜く方法で取れることもあります。くり抜いたあとは縫合せず、傷が自然に治るまで軟膏治療を行うことで徐々に色が薄れて傷跡が目立ちにくくなります。数mm以上のほくろの場合は切除して縫い合わせたり少しずつ切り取って縫い寄せる方法もありますが、縫い寄せるのが難しい場合は局所皮弁して傷をふさぐこともあります。ほくろの程度によっては、メスによる切除と炭酸ガスレーザーを組み合わせて治療を行う場合もあります。取り除いたほくろは顕微鏡による病理組織検査で診断することが望ましいとされています。

自費診療におけるほくろ治療

美容目的の自費診療におけるほくろ除去は、炭酸ガスレーザー照射で治療を行います。短時間での治療が可能ですので、肌への負担も少なく傷跡も比較的きれいで治りが早いというメリットがあります。

ほくろの注意

ほくろは紫外線や思春期、更年期などの変化によって出現する自然なできもので危ないものではありませんが、急に巨大化してきたり、広がっていたり真っ黒な色、臭い等が発生する場合などは注意が必要です。

ほくろの予防・生活上の注意

ほくろの予防には、皮膚が炎症を起こす原因となる紫外線を防ぐことやメラニン生成を防ぐために皮膚を強く擦ることを控えるなどが必要です。また生活上において睡眠不足や乱れた食生活によってターンオーバーのサイクルが乱れるとほくろが増える原因となりますので、十分な睡眠とバランスの良い食生活を保つことが必要です。