掌蹠膿疱症|浜松市中央区(旧南区)の皮膚科 いがらし皮ふ科

掌蹠膿疱症

掌蹠膿疱症とは

掌蹠膿疱症とは、手の平や足の裏に水膨れが生じ、これらが次第に膿疱に変化し、周期的に良くなったり、悪くなったりを繰り返す病気のことです。膿疱とともに赤みや痒みを伴う湿疹も生じます。通常「膿」は細菌感染などによって生じるものですが、この病気の膿疱は感染によって生じるものではありません。

掌蹠膿疱症の症状

掌蹠膿疱症の症状は、最初に手のひらや足の裏に小さな水疱を生じ、徐々に膿疱やがさがさした赤みや痒みを感じるような湿疹ができます。赤み同士がくっついて皮が剥けたり、膿疱が乾いて小さなかさぶたになり剥がれ落ちます。掌蹠膿疱症の10%程度の人に首や鎖骨、腰などの関節や骨に炎症が起こり痛みが出ることも特徴の1つです。

掌蹠膿疱症の原因

掌蹠膿疱症の原因について、今のところ明確な発症メカニズムは解明されていません。扁桃の摘出手術や歯科治療をすると症状が改善することがあることから、扁桃炎や副鼻腔炎、虫歯、歯周病などの慢性的な感染症が発症に関わっていることが指摘されています。他にも喫煙者に多いため喫煙が発症の原因になると考えられていたり、歯科金属などの金属アレルギーが原因とも知られています。また特定の遺伝子を持つ人が発症しやすいとの報告もあります。

掌蹠膿疱症の治療

掌蹠膿疱症は、特別な検査はせずに、特徴的な症状を繰り返す経過から診断を行います。皮膚の一部を取り出して顕微鏡で見る病理検査によって、足白癬や汗疱など他の紛らわしい病気と区別が行われます。掌蹠膿疱症の治療においては、ステロイドなどの塗り薬、ビタミン剤や免疫抑制剤などの内服薬で掌蹠膿疱症はある程度のコントロール出来ますが、慢性的に症状が繰り返されます。症状が重いときや、塗り薬や内服薬だけでは良くならなかった場合、肝臓や腎臓の障害で内服治療が難しい場合などは光線療法が使用されます。光線療法の中では、エキシマライトが安全で効果も高く限られた部位のみに照射できるため患部が局所的な場合に用いられます。また喫煙者が発症した場合には禁煙をお勧めします。扁桃腺や副鼻腔炎、虫歯、歯科金属の劣化の有無、歯科や耳鼻科でそれらの病気がないかを確認することで、根本的解決への手がかりになることがあります。

掌蹠膿疱症の生活上の注意

掌蹠膿疱症について、発症メカニズムは解明されていないため明確な予防法がないのが現状ですが、生活習慣は関与していると考えられています。扁桃腺や歯周病などの慢性的な感染症が生じた際には速やかに病院を受診し治療を心がけることや、禁煙するなどの対策が必要です。